“養殖ギンザケ” 初水揚げ…サケの不漁と高値続く北海道 海水温低く適地に 海外産より価格安く (22/09/17 08:00)

北海道釧路市の釧路港で、養殖のギンザケが初水揚げされました。地元のスーパーなどでは刺し身で売られています。サケは不漁と価格の高騰が続いていますが、釧路市の新たな名産品となるのでしょうか?

 田中 うた乃 記者:「いま養殖のギンザケが釧路港で初水揚げされています。大きく育っていて銀色に輝いています」

 9月9日、北海道釧路市沖合のいけすで養殖されたギンザケ、約1トンが初水揚げされました。

 北海道東部ではサケの不漁が続いていて、養殖に期待の声が上がっています。

 漁業関係者:「1匹3キロくらいはあるのではないか。うまくいけば、これからも養殖を続けたい」

 養殖のギンザケは脂の乗りがよく、塩焼きにするとふっくらと焼き上がり、刺し身でもおいしいということです。

 水産専門商社 ニチモウ 戸川 富喜 養殖開発室長:「しっかりした身質と濃い魚の味がして、非常においしい。釧路沖の潮の流れが速い海域でギンザケを運動させ、身質がしっかりした魚を養殖したい」

 水揚げされたギンザケは、釧路市近郊の鮮魚店やスーパーなどで販売されました。

 田中 うた乃 記者:「釧路町内の鮮魚店です。売り場に並んでいますね、『釧路育ちのギンザケ』として売り出しています」

 こちらの鮮魚店では刺身を1パック、400円台から500円台で販売しました。ノルウェーやチリなどの海外産のものに比べ、安くなっているといいます。

 来店客:「脂も乗ってる。ベニサケは食べられなくなってくるのかな。今も見たらいい値段だったので。こういう取り組みはいいんじゃないかな」

 この取り組みは釧路市と、東京の水産専門商社などが共同で始めたものです。

 マルサ笹谷商店 笹谷 剛 社長:「天然の魚が減っている中で、養殖は釧路市でも期待しています。どんどん養殖には力を入れていってもらいたい」

 ギンザケは東北地方で養殖されていますが暑さに弱く、近年は海水温の上昇で夏場の出荷が難しくなっています。

 そこで、夏場も海水温が20℃以下の釧路市での養殖が2022年7月から始まり、この時期の出荷が可能となりました。

 今後3年間、試験的に養殖を行い、事業として成り立つかを調査します。10月末まで数日おきに水揚げし、今後は札幌市などでも販売したいとしています。

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