【国土交通省北海道開発局】小樽港~斜路によるケーソンの製作と進水~

港湾の防波堤は、陸上で作った鉄筋コンクリートの巨大な函(ケーソンといいます)を海中に並べて沈めることにより建設しています。明治45年から築造がはじまった小樽港では、そのケーソンの制作および進水に、当時世界でも例がない小樽港独自で開発した斜路を使う方法が開発・採用されました。斜路は陸上部が60メートル、海中部が64メートルで10%の傾斜で海底に延びており、木製4本のレールが敷かれて滑り落とす構造になっています。 この進水方式は、当時の軍艦の進水方式にヒントを得たものでした。この方式は経費も少なく作業も極めて簡単で、その後各港でも使用するようになった築港工事史上特筆すべき施工法であったものです。大正元年から平成17年までの93年間で約800函が製作され、小樽港の防波堤・岸壁・埠頭のみならず、他の港湾・漁港で使用するケーソンも、この斜路で製作されました。現在では、ケーソンの大型化に伴い、他の方式で制作することが主流となったため、この斜路も使わなくなり土木遺産として保存されているものですが、本映像ではその在りし日の姿を撮影した歴史的な資料です。[平成11年撮影]

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