県内の河川で、サケの遡上が多く見られる時季を迎えた。国内の河川湖沼でのサケ釣りは水産資源保護法で原則禁止されており、一部河川の「サケ有効利用調査」でしか釣ることができない。調査実施河川は北海道・忠類川や新潟県・荒川などが有名だが、県内の久慈川でも今年初めて実施。川釣りでは最強クラスの引きが味わえるサケ釣りの魅力を堪能しようと、調査に参加させてもらった。
調査計画を耳にした6月から心待ちにしていた今回の釣行。とはいえ、釣り歴半年余りの記者では釣果が出ない可能性大。そこで、WILD―1水戸店の大川賢さんと「奔流倶楽部渓夢」の上谷泰久さんの2人に同行してもらうことに。
釣行は調査最終日の8日で、夜が明け始めた午前6時すぎに会場に到着。気温10度以下、西風も吹いて手がかじかむほどの寒さの中、ほかの参加者とともに同7時の調査開始の号砲を待つ。調査会場となった日立市留町の久慈川左岸は護岸されており、足場は最高だ。
上谷さんは渓流竿(さお)での餌釣り、大川さんと記者はルアー釣りで挑戦した。記者が使用したのは「赤・金」のスプーン(17㌘)。大川さんは「ピンク・金」のスプーン(22㌘)にピンク色のタコベイト、上谷さんは短冊切りのサンマを使った。
開始直後の午前7時分すぎ、最も上流側でルアー釣りに挑戦していた宇都宮市の村田基光さん(31)にファーストヒット! 銀色のミノーが「着水と同時にヒットした」という獲物は77㌢のメスだった。村田さんは「遠くを狙ったのでいいファイトが楽しめた」と満足そうな表情を浮かべた。
記者たち3人の中で最初にヒットしたのは大川さん。「きたっ!」と声を上げるのと同時にタックルが弓なりに。漁協関係者も見守る中、見事71㌢、3・4㌔の良型(オス)をゲットした。
それから5分もたたないうちに、今度は上谷さんの竿が大きくしなる。サケの動きに合わせて移動したり、サケを上流へ向かせるために腰を入れて竿を立てる姿からも、サケの引きがいかに強いかが容易にうかがえる。
上がってきたのは63・5㌢、2・6㌔のオス。岸から㍍付近のかけ上がり(深場から浅場の方へ向かう斜面)付近はやはり狙い目だったのか、上谷さんはこの日、参加者最速で採捕上限の3匹を釣り上げた。
「1匹は釣れるかな」と甘い期待を抱いていた私には、もぞもぞとした反応が1、2回あっただけで無念のボウズ。「取材や写真撮影で竿を置いている間に時合いを逃したんだな、きっと」と苦しい言い訳をしつつ、この日は午後に予定があったために正午ごろに納竿となった。さらに修業を積み、「来年こそはリベンジを」と心に誓い、会場を後にした。
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参加したい。